要約すると・・・
- 2014年当時、世界最大の仮想通貨取引所マウントゴックスが85万BTCと現金28億円を紛失して倒産しました
- マウントゴックスの倒産にはハッキングと当時の社長による横領が関係していると言われているが、未だ事件は解決しておらず、真相ははっきりしていません
- マウントゴックス事件の教訓が活かされる形で改正資産決済法は施行され、仮想通貨の取引所は登録制となりました
マウントゴックス事件とは
2014年当時、世界最大の仮想通貨取引所マウントゴックスを運営する「MTGOX」は顧客が保有していた75万BTCと自社保有の10万BTC、合わせて85万BTCと顧客からの預り金28億円を紛失して倒産しました。
仮想通貨という言葉を知り、仮想通貨=危険という認識を持つようになったきっかけがマウントゴックス事件だった人も多いのではないでしょうか。
ちなみに当時、85万BTCの価値を約110億円と主張していましたが、実際に他の取引所間でのレートで計算するとその額は480億円近くの価値になったそうです。
これほどの事件は一体何故起きたのでしょう。
マウントゴックスは何故破綻したのか
仮想通貨取引所マウントゴックスを運営していた「MTGOX」は2010年からBitcoinの取引を開始し、世界最大の取引量を誇る最大級の仮想通貨取引所になりました。
しかし2014年2月に顧客から預かっていた75万BTCと自社保有の10万BTC、さらには利用者から預かっていた現金28億円が紛失したことが発表されました。
原因はハッキングによるもので紛失したとしていましたが、実際はこの事件が明るみになる前から利用者への支払いの延滞が問題視されていました。その他にも他の仮想通貨取引所と法的問題を起こしていたり、2011年に起きた仮想通貨のハッキング事件の感染元となっていたりと雲行きの怪しい兆候がありました。
そんな背景もあり、調査を進めていく上で一部の被害金額に関してはMTGOXを運営していた当時の社長マルク・カルプレス氏の横領疑惑が浮上し、カルプレス氏は起訴されました。
初公判が2017年7月に行われ、本人は無罪を主張しており、メディアでは報道されず、この事件は終わったかのように扱われていますが、実は未だこの事件は決着がついていない状況なのです。
つまり、現時点ではマウントゴックスが破綻したのはハッキングと横領による(現段階では疑惑)としか言えず真実ははっきりとなっていない状況なのです。
仮想通貨はやはり危険なのか?
マウントゴックスの事件を知って、やはり仮想通貨は実態を持たず、ネット上で運用管理されているものであり、ハッキングやウィルス感染などによる紛失リスクが大きいという認識をお持ちになられたかもしれませんが、正確に言えば、マウントゴックスの事件と仮想通貨のセキュリティは別問題であり、仮想通貨=危険ということにはなりません。
本当に仮想通貨自体のセキュリティに問題があり、ハッキングなどの被害に合えば全ての取引所、全ての利用者に影響がでます。
しかしマウントゴックスの事件はあくまでマウントゴックス自体のセキュリティの甘さが招いた事態であり、実際に当時、他の取引所は一切の関係性がないことと、自分達の取引所は安全であることを主張しました。
マウントゴックスの倒産が法律を変えた!?
日本で初めて2017年4月に仮想通貨に関する法律、改正資金決済法(仮想通貨法)が施行されました。この法律では利用者の安全を守るために取引所の登録制が導入されました。
これにより、安全のための整備と一定の資金力を有している会社以外は仮想通貨の取引所業務ができなくなりました。(改正資金決済法に関して詳しくはこちら)
改正資金決済法に盛り込まれている内容の多くにマウントゴックス事件での教訓が活かされていると考えられます。マウントゴックスは多大な被害を生み出しましたが、この事件から得た教訓を活かして仮想通貨がより良いものへと発展していけば幸いではないでしょうか。